id 2024
Concept, Book Design, Graphic, Editrial, Web, VI+CI, Art Direction
【Background】
「id」はタカラベルモントのオリジナル化粧品ブランド「LebeL」主催のヘアデザインイベント。「id」とは「identity」を意味し、「だれしもが誇るべきアイデンティティを持ち、自分に自信を持って欲しい」という想いが込められている。1981年にスタートしたLebeL初のワインディングコンテストから、より個性を発揮できるヘアデザインイベント「id」として進化した歴史を持つ。
2023年から、より多くのスタイリストの参加を応援するためにアワードをアップデートし、高い創造性や技術力を競う「Creative Design Award」と流行スタイルで一般ユーザーの評価を競う「Salon Style Award」とのダブルアワードにすることで、より多くの人が参加できサロンワークに
つながるイベントへと進化。2024年には、さらにそのコンセプトの深化をするべく、VI制作にお声がけいただいた。
【Concept】
前年から使用している「あなたの感性が、誰かの個性に。」をさらに深めるべくクライアントと議論と検証を重ねた。
タカラベルモントのステートメントである「美しい人生を、かなえよう。」の中で、「美しい人生」とは「自分らしく生きる人生こそが、美しい人生」と定義づけられている。つまりは、自己肯定である。そして、それがLebelのステートメントである「ALL YOUR OWN(すべてはあなたが輝くために)」に繋がっている。さらに、その一角のヘアデザインイベントとしては「あなたの感性が、誰かの個性に。」は、現時点ではとても綺麗に繋がりつつ、背伸びもしない良いバランスのステートメントであるということが分かり、検証は着地した。コンセプトメイキングは、何かを変えれば良いというものではない。そのものが良いのであれば、無理に変更する必要はないのだ。英訳である「Your Creativity, Their Identity」のみ新たに作成し、使い方は自由とすることで、表現としての広がりを持たせた。
【Graphic Design】
ビジュアルは、抽象表現でもありつつ、具象としても分かりやすいよう、ヘアサロンの象徴である「髪の毛」をモチーフにし、幾重にも重なるラインをデザイン。感性が個性になり花開く様子を、花弁のような重なりで表した。また、idの特徴として、髪のみならず、ファッション(衣類)も大事な要素のコンテストというところがある。故に、この重なりは、布の広がり感も意識している。グレーの地の部分は花も無彩色であるが、光を向けると多彩な色に色づく。それは、コンテストの本来的な意味性を暗に表現するものである。
【Web Design】
Webサイトは、前年のコンテンツドリブンのセグメント方式と、一覧性の弱いレイヤー構造を整理。応募者にとっては自分の興味のある賞ごとに情報が整理されている方が余計なノイズが入らず、ユーザーフレンドリーであると考えた。そのため、メニューをアワードごとの分け方に変更。なるべくシンプルで、ユーザーが着きたい情報以外を入れないような構造を目指した。また、アワードの色分けが前年は同一色相に偏っていたため、異なる色相に変更し(Creative Award:青系、Salon Style Award: 赤系、Selfie Award: 緑系)、一見での印象を分かりやすく整理した。
【Pamphlet Design】
パンフレットもWebサイト同様、コンテンツドリブンのページネーションをやめ、賞ごとの分類に変更した。
【Motion Direction】
ムービーは別のチームが制作したが、その際にモチーフの意図とイメージは共有している。
Creative Director / Producer: Yuji Kinoshita(MARK Inc.)
Art Director / Graphic Designer: Yu Miyazaki(MY HEAD LLC)
Web Engineer: Mokei Kameda(PRMO Inc.)
Project Management: Ryo Tanabe(MARK Inc.) / Amon Todoroki(MARK Inc.)
Production: MARK Inc.
Client: TAKARA BELMONT Corp.
id 2024